【映画】秋刀魚の味を見たよ

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小津作品を沢山見ているわけではありません。
東京物語とお茶漬けの味ぐらいかな。

だから小津作品が好きというわけではないんです。
東京物語が好きなだけです。(もちろん他の作品も見てみるつもりですが。)

さて、今回見た秋刀魚の味は彼の遺作にして若かりし日の岩下志麻が極道の妻ではなく美しい娘として描かれた作品です。

ちょっと感想を。

なんでもない日常と映像美

東京物語でもそうなんですが。
作品の中に大きなテーマがあるわけではないと思うんですよね。
ま、家族がキーワードになるんでしょうけど。
最初から最後まで淡々と会話が進み、淡々と日常が描かれ。
そして最後は主人公がしんみりして終わる。
と言葉で書いてしまうと、全然引き込まれる映画でもないんですが。
で、実際何に引き込まれているかも私自身よくわかっていないんですが。

僕は評論家でもなんでもないし、そんなに映画をたくさん見ているわけでもないんだけど、一つ思ったことは、結局映像から何から完璧なんですよね。だからあまりにも普通に見える。映画って日常を描こうとしてもなんか違和感ありますよね。普通そんなところから台所見ないよ!とか。会話をそんなところから眺めないよとか。

そういった物を一切排除したのが小津作品のもつ特徴なんだろうなって今回気づいたわけです。
小津は演技から作品中の小物、画角全てにおいて自分の言うとおりの物を求めたそうです。その要求はきっと過度な演出をすることで最終的に違和感をなくすことに注力したんだろうなって思うわけです。

究極的に人が作るものは自然にはなりえないんだろうけど、それをとにかく近づけることで美しさを創りだしたんだろうなと。

だから小津作品は美しさが最後まで印象に残るんだと。

切り返しショットの応酬が心地よい

映画的には当時間違った手法と言われてたそうですね。
会話ごとに出演者の顔を真正面から捉える手法。

でもこれってやっぱり笠智衆という、稀代の「演技をしない演者(勝手に命名)」がいてこそかなって思うわけです。

そしてその会話が映画の中心となり話は進んでいきます。
淡々と。

笠智衆は絶対に起こりません。
「おー、そうか」
「あー。」
「ほほう。」

下手すりゃセリフとかこれだけでいいんじゃね?って思います。(言い過ぎだけど。)
流石に他の役者は演じている部分があるんだろうなって思うんですが、笠智衆は演じているんだかなんだかわかんない。小津からは「僕の作品に表情はいらないよ」って言われていたそうです。(出典wikipedia)

どうしても彼が出演してこその小津作品的なイメージが出来上がってますが、別作品も見てみないとな。

日本って美しい

蒲田のヌーベルバーグ、小津安二郎。
彼が描く世界は、やっぱり日本的な家族の美しさなんだろうなって思うわけです。
秋刀魚の味は高度成長期の日本なんだけど、そこに絵描がれるのは変化していく東京という街における家族愛で、それは他の地域にも通じるこの時代の家族の在り方へのアンチテーゼでもあったんだろうな。

ま、時代は変わっていきますけどね。

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