サイエンス実験室を通して学んだこと

いおぎみんなの学校でやっているサイエンス実験室ですが、4月になる1年生がどどーんと入ってきました。
昨日は4月に入って、固定メンバーでの2回目の実験室だったんですが。
いやはや、これがなかなか難しい。
なめていたわけではないんですが、ここまで難しいとは!って言うのが率直な感想です。

ってことで、ちょっと時系列でお伝えします。

それは雨の水曜日でした。

4月3日、初めての子供たち(1年生)を迎えての実験室初日。
僕はこう考えていました。
「最初から実験するより、まずはみんなのことを知ることが先だろうな。」
「サイエンスってなんだろう?ってことをまずはみんなで考えたいな。」

ってことで、五感をつかっていろんなものを感じよう!ってタイトルで始めました。

ところが。

その日はまだ学校が始まっておらず、それでいて雨ということで。
一日中で遊んでいた子供たち。
僕が着いたころには熱気むんむんっていうか、ドッジボールとかして遊んでいる子供たち。

さて、いざ始めようと思っても、僕が考えている内容が彼らの気持ちと合致しない!
且つ、準備の関係上、他の実験ができない。

しょうがない、やるしかないと思ってスタートしました。

講師側の明らかな経験不足と準備不足。

ってことで、まずはみんなに座ってもらって「始めまーす」ってやり始めました。
で、自己紹介とかしてもらおうとするんですが、子どもたちはもうすでにたくさん遊んでいてそれぞれを知った状態なんです。知らないのが僕だけ。
「えー、なんで今さら」感がひしひし伝わる。

うーむ。

でもしょうがない、先生は知らないんだもん、ってことで進めたんですが。
これが良くなかった。

子どもたちはだんだん「面倒くさいな」って気持ちになってくるんですね。
「なんで実験やらないの?」って言い出すんです。
ま、もちろんそうでしょうね。実験室だもん。

やる側としては実験のつもりが、なかなかわかってもらえない。
且つ、一度やる気がなくなると、ほとんどいうことも聞かない。などなど。
終いには好き勝手なことをしだす始末。

おう、これは困った。

こちらから質問してみた

で、だんだんみんながどっかに歩き出したので、ちょっと一喝。
「まずは集まってください。」と。

で、聞いてみたんです。
「何が実験だと思う?」

そしたら、まぁいろいろ。
爆発させるのが実験だよとか、液体混ぜるのが実験だよとか。
先生は植物観察なども実験だと思うよ!ってことで言ってみても「ちが~う。」

なるほど。そもそも実験って何?ってことからだな。
少しずつわかってきた。

まずわかったこと

子どもたちって、僕らが思っている「サイエンス」がやりたい!って思っている子は実は少ないんですよね。ただ、漠然と実験って面白い!みたいなイメージはあるみたい。
それがきっと重要で、そこからどんどん興味を持ってもらえるような実験をしていくことが重要なんだろうなと。

あと、しっかり叱るっていうのはとても重要なんだなと。
こちらが曖昧なことを言うと、子どもたちもすぐにわかる。
毅然とした態度っていうか、もちろん笑顔なんだけどね。

ってことで、次の週の実験は急遽変更することにしたんです。
もともとは「音で遊ぼう」って内容だったんだけど、「シャボン玉実験」に変更。

少しエンターテイメント性を出さないとって思ったんです。

そして辛い日が来る

さて、次の週までに楽しい実験にしないと行けないんだけど。
ふーむ。

実は実験って失敗もつきものなんですよね。
特に、いつもやっているわけではなく、条件も変わってくる。
成功しないこともあるわけです。

ただ、子どもたちに対して「いきなり失敗」はあまり良くない。
「あぁつまんないんだ。」って思われるのは良くない。

ってことで、悩むんですよ。
だんだん水曜日がやって来るのが憂鬱に感じるんです。
とは言いつつ時間はすぎる。明日が来なかった日はない。
やまなかった雨は一度もない。

ってことで、気づいたら火曜日になっているわけです。

ギリギリまでやってみることが重要

さて、そして当日になるわけです。
もちろんサイエンスばっかりを仕事としているわけではないので、バタバタします。
しかしあの「子どもたちの冷たい視線」が脳裏に焼き付いているわけです。

これはどうにかやり遂げねば!ってことで昼飯も食わずに準備に取り掛かります。
で、自分でもいろいろ考えたカリキュラムを本番前に実験してみるんですが、思うように行かないんです。

うーむ。

でも、ギリギリまで色々やってみる。
できないことはできないで外すなど。

ほんと、実験室が始まる寸前まで繰り返します。

そして時間が来るわけです。

あら不思議、気持ちが落ち着くもんだなと

一生懸命準備もした。一週間憂鬱な時間も過ごした。
やれることはやった。

まるで入試みたいだな。

ってことで本番に望むんですが。
あれ?って思うんです。
なんか「まぁいいんじゃね?」「どうにかなるんじゃね?」って気分になるんですよね。

そして、実は前回と同じような進め方をするんです。
グループ作ったり。

あれ?前回みんなイヤイヤ言ってたじゃんってことが、なんかスムーズなんです。
ま、相変わらず言うことは聞いてくれないんですがw。

なるほど、こっちの精神状態が伝わるんだな!ってやっと気づくわけです。

そして思った一番重要なことはと言うと

これがサイエンスだからとか習字だからとか、あまり関係ないのかな?って思ったんですが。
要はやる側がちゃんと信じてやることで、伝わりやすい。
これって別に子供相手じゃなくてもそうですよね。

で、信じてやることにおける根拠って、どんだけ頑張ったか?っていう、まぁなんとも科学的でも何でもない精神論に落ち着くわけです。

ってことで、心を鍛えるのが一番重要なんではないか?って思った39歳春の出来事でした。

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