ちょっと考えさせられる映画ばかり見てたんで、明るい映画を見たいと思って借りてきたんだけど。これはこれで考えさせられたけど、とても感動した映画でした。
純粋な音楽映画ではないんだよね
あらすじとしては、ある炭鉱町にあるブラスバンドが地域の大会で優勝して、最後はカーネギー・ホールの大会に進む。その過程において、メンバーそれぞれが仕事のこととか、家庭のこととか、病気とかでバンドを続けられるか否か?のところで問題を抱えつつも最終的には良い演奏をしておわるって話なんだけど。
もちろん音楽の素晴らしさが伝わってくるし、そういう映画なんだろうな?って思って見てたら大間違いだったて言う。
ま、僕の見方が浅はかだったってのもあるけど。
時代背景を考えるとなるほどな映画です。
サッチャリズムへの批判
時代はそう、サッチャリズムまっただ中のイギリス。
規制緩和によって官営だった産業が民営化されたことで外国資本が入ってきて、南の金融街は裕福になり、北の街は寂れていく。
どんどん仕事がなくなっていくイギリス人。
もちろん炭鉱ももれなくその中に含まれ、エネルギー政策のなかで当然切られる存在だったわけです。
人々は不安で一杯。音楽なんて演ってられないわけです。
そん中音楽が中心のバンドリーダーはとにかくバンドだけは存続させようとするわけですが。
見事バンドはカーネギー・ホールで優勝します。
しかし彼が語った言葉はずしりときました。
生きていてこその音楽だと。
たかが音楽だと。
なんか今後の日本も同じように仕事がなくなって、格差がどんどん広がって行く気がしますよね。
ちょっと考えさせられました。
たかが音楽、されど音楽
音楽を進めるには、やっぱり生きていないとできないんですよね。
でも生きているだけでも物足りない。音楽は必要なんです。
ま、たまたまここでは音楽だけど。
働くことそのものが生きていくことにおいて「中心」になるような社会が理想なわけで。仕事が食べていくためだけの物だったらちょっとさみしくね?って思うわけです。
あ、食べていくことはとても大事だし、それがあってのってのは重々わかっておりますが。
多分「裕福さ」の尺度がいろいろあって、ちょっと行き過ぎた裕福さが蔓延しているんだろなと。
できれば少しぐらい貧乏になっても良いから、その分を「生きていて楽しい」に回せる社会になってほしいもんですね。
されど仕事は頑張らないとと思う今日このごろです。